「渡る世間は鬼ばかり」「3年B組金八先生」などで知られる女優赤木春恵(あかぎ・はるえ)さん(本名・小田章子=おだ・あやこ)が29日午前5時7分、心不全のため東京都府中市の病院で死去した。94歳。「世界最高齢での映画初主演女優」のギネス世界記録に認定されたこともある、名女優だった。所属事務所によると、家族にみとられながら、眠るように安らかな最期だったという。
「金八」そして「桜中学シリーズ」でも欠かすことのできない、君塚校長役を演じた赤木春恵さんが旅立たれました。
個人的に赤木さんを最初に認識したのは小学生の頃、君塚校長役ではなく「渡鬼」で嫁いびりをする姑・小島キミの方でした。後に「金八1」の再放送で校長役を見ることになりますが、そのキャラクターのギャップと赤木さんの演技の幅に驚いたものです。
リアルタイムで多く見てきたのは「渡鬼」の方でしたので、個人的には君塚校長よりも小島キミ役の方が印象深い所ではありますが、「金八」「渡鬼」どちらも全シリーズ視聴してきた身としては、本日の訃報は本当に残念でなりません。
「金八」では1979年の第1シリーズから1983年のスペシャル2までレギュラー出演。校長から離れた後も、第4,7シリーズ、スペシャル4,5,6,9,ファイナルにゲスト出演。事あるごとに金八先生を支え、ファイナルまで君塚美弥子役を見事に全うしました。
数々の場面が思い出されますが、やはり第2シリーズの第8話、特攻服をまとった繁好(大仁田寛)たちが生徒から喝采を浴びた所で、兄を戦争で亡くしている校長が戦争の悲惨さを訴えるシーンでしょうか。赤木さん自らの戦争体験も相まってか、非常に印象に残る場面となりました。
その他ですと、校長室でタバコを吸うシーンがちょっとした衝撃でもありました。
近年はパーキンソン症を患い、渡鬼スペシャルへの出演も見合わせていたので、表舞台に姿を見せる事が難しいのはわかっていましたが、 金八放送40周年を迎える来年、何らかの形でお姿を拝見できればと思っていただけに、それが叶わなくなってしまった事が心残りです。
君塚校長、そして小島キミさん、お疲れ様でした。どうぞ安らかに。